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コンタミネーションの防止策とは?
原因と交差汚染を防ぐ設備・運用の対策

最終更新:2026年9月28日

コンタミネーションの防止策とは? 原因と交差汚染を防ぐ設備・運用の対策設計・設備コンタミネーションの防止策とは?原因と交差汚染を防ぐ設備・運用の対策

コンタミネーションの防止策は、汚れが移る経路ごとに「施設で分ける」か「運用で断つ」かを決めることです。消費者庁は食品のアレルゲンについて、製造ラインを十分に洗浄する、特定原材料等を含まない食品から順に製造する、可能な限り専用器具を使う、といった対策の徹底を求めています。医薬品では、GMP省令が交叉汚染の防止を製造業者等の義務にしています。

洗浄と順番で断てない経路は、作業室の専用化や空調の別系統化など、施設の側で分けることになります。この記事では、原因と経路、洗浄・製造順・専用化の限界、区画と空気の流れ、法令が求めること、発注前に決める項目を、条文と公的資料にあたって整理します(2026年9月28日確認)。

目次
  1. コンタミネーションの防止策は経路で決める
  2. コンタミネーションが起こる原因
  3. コンタミネーション防止策は洗浄・製造順・専用化
    1. 洗浄の効果は検証して記録に残す
  4. コンタミネーションを防ぐ区画と空気の流れ
    1. 空調を別系統にするなら排気の処理まで決める
    2. 区画しなくてよい場合もある
  5. コンタミネーション対策で法令が求めること
  6. コンタミネーションを実験室で防ぐ区域分け
  7. コンタミネーション防止策を発注前に決めること
  8. コンタミネーションの防止策に関するよくある質問

コンタミネーションの防止策は経路で決める

コンタミネーションの防止策は、汚れが移る経路(人、原材料と器具、製造ライン、空気、水と排水)を洗い出し、経路ごとに施設で分けるか運用で断つかを決めることから始めます。対策の一覧から選ぶのではなく、自社の経路に当てはめます。

コンタミネーションとは、本来含まれるべきでない物質や微生物が、製品や試料に意図せず混入・付着することです。食品ではアレルゲンの混入、医薬品では他の品目の成分や微生物による汚染、研究室では試料やPCR産物の混入を指して使われます。別の製品や工程から移るものを交差汚染(クロスコンタミネーション)と呼び、GMP省令では「交叉汚染」と書きます。

虫・毛髪・金属片のような目に見える異物は、異物混入対策の記事で扱っています。この記事は、目に見えない成分・微生物・DNAの持ち越しを中心にします。

コンタミネーションの経路と施設・運用の対策
経路起こり方の例施設で分ける対策運用で断つ対策
人(作業者)手袋・作業着・靴に付いたまま別の区域へ移る更衣の場所と手洗い設備、作業室を他の人の通路にしない区域ごとの着替えと手袋の交換
原材料・器具共用の器具や容器を別の品目に使う区域専用の器具置き場、原材料と薬剤の区分保管器具の専用化、使用ごとの洗浄と消毒
製造ライン・設備前の品目の残りが次の品目に混ざる品目専用の設備・作業室切り替え時の洗浄、含まない品目から製造
空気粉体の飛散や、扉の開閉で隣の部屋の空気が流れ込む区画、室圧の差、空調の別系統扉の開放を短くする、飛散しにくい作業手順
水・排水汚水の逆流、洗浄水の跳ね返り逆流しない排水の配管洗浄時に周りの製品を覆う

※経路の区分は当サイトの整理。施設の対策は、食品衛生法施行規則 別表第十九、GMP省令 第9条、薬局等構造設備規則 第6条に対応する項目を中心に挙げた(2026年9月28日確認)。

どちらの列に比重を置くかは、混入したときの影響の大きさで決まります。微量で健康被害や品質への重大な影響が出るもの(アレルゲン、強い感作性や薬理作用のある医薬品、PCR産物)ほど、運用だけに頼らず施設で経路を分ける比重が上がります。GMP省令も、微量で過敏症反応を示す製品等を扱う場合は、作業室を専用にすることなどを求めています。

コンタミネーションが起こる原因

コンタミネーションの原因は業種で違って見えますが、多くは「前の作業の残り」「人と物の移動」「空気の流れ」の3つに行き着きます。問題になる物は、食品ではアレルゲン、医薬品では他品目の成分と微生物、研究室ではPCR産物が代表的です。

業種別のコンタミネーションの対象と起こりやすい場面
業種主に問題になるもの起こりやすい場面起きたときの影響
食品工場アレルゲン(特定原材料等)同じラインで含む製品と含まない製品を造る、器具を共用するアレルギー疾患のある人への健康危害
医薬品工場他の品目の成分、微生物同じ作業室や設備で複数の品目を造る、職員が作業室を行き来する感作性の強い成分や強い薬理作用のある成分の混入、品質への重大な影響
研究室(PCR)増幅後のPCR産物(DNA)反応後のチューブを開ける、実験した手袋のまま器具に触れる偽陽性、正しく定量できない

※食品は消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」、医薬品はGMP省令 第9条と施行通知(令和3年4月28日 薬生監麻発0428第2号)、研究室は東洋紡「コンタミネーションを防ぐには?」による(2026年9月28日確認)。

消費者庁は、原材料として特定原材料等を使っていない食品でも、製造工程上の問題などでコンタミネーションが起きることが指摘されているとし、アレルギー疾患のある人への健康危害が懸念されると書いています。表示の有無とは別に、製造の現場で起きる問題として扱われています。

医薬品の施行通知は、微量で過敏症反応を示す製品等の例にペニシリン類・セファロスポリン類など強い感作性のある成分を、交叉汚染で他の製品等に重大な影響が及ぶ製品等の例に細胞毒性のある抗がん剤などを挙げています。扱う品目の性質が、必要な対策の重さを決めます。

参照:消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」(2026年9月28日確認)

コンタミネーション防止策は洗浄・製造順・専用化

運用の基本は、切り替え時の洗浄、含まない品目から先に造る製造順、器具やラインの専用化の3つです。どれも有効ですが、洗浄は落ちたことを確かめる方法、製造順は守れない日の扱い、専用化は設備と面積が、それぞれ課題になります。

コンタミネーション防止の運用対策3つの中身と限界
対策中身向く場面限界と施設で補うこと
洗浄品目を切り替えるときに、製造ラインと器具を十分に洗浄するラインや作業室を複数の品目で共用する落ちたことを確かめる方法が要る。分解して洗える設備や、洗浄しやすい内装を選ぶ
製造順特定原材料等を含まない食品から順に製造する1日に複数の品目を同じラインで造る急ぎの受注で順番が崩れる日がある。順番を守れない品目は専用化を検討する
専用化可能な限り専用器具を使う。影響の大きい品目はラインや作業室も専用にする微量で影響が大きい品目を扱う設備と面積が増える。作業室を専用にするなら空調の系統も合わせて決める

※対策の3つは消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」第1の1(5)の記載による。限界と施設で補うことは、GMP省令 第9条と施行通知をもとに当サイトが整理(2026年9月28日確認)。

消費者庁は、これらの対策を徹底してもなおコンタミネーションの可能性を排除できない場合に、アレルギー疾患のある人に向けた注意喚起表記を推奨しています。一方で、特定原材料等について「入っているかもしれない」といった可能性表示は認められないとしています。注意喚起の表示は、防止策を尽くしたあとの補足です。

洗浄の効果は検証して記録に残す

医薬品では、洗浄に頼るなら検証が前提です。GMP省令 第9条第2項は、医薬品の製品等を扱う作業室で、この省令が適用されない物品を造ることを原則として禁じています。例外は、あらかじめ検証された工程または清浄化によって成分を適切に不活化・除去し、交叉汚染を防ぐ適切な措置をとる場合です。

施行通知は、その措置として、薬理学的・毒性学的な評価にもとづく残留の限度値を決め、検証された分析法で定量できることを挙げています。食品でも、食品衛生法施行規則 別表第十七は、器具や清掃用機材などを汚染のたびや作業の終了のたびに熱湯・蒸気・消毒剤などで消毒し、乾燥させることを求めています。

参照:厚生労働省 GMP省令の一部改正について(令和3年4月28日 薬生監麻発0428第2号)(2026年9月28日確認)

コンタミネーションを防ぐ区画と空気の流れ

洗浄と順番で断てない経路は、区画、動線、空気の流れで分けます。食品衛生法施行規則は、作業区分に応じた間仕切りなどの区画、工程を踏まえた設備の配置、または空気の流れを管理する設備を、営業施設の基準にしています。

コンタミネーションを防ぐ施設の対策と防ぐ経路・根拠
施設の対策防ぐ経路根拠・該当する場面
作業区分に応じた区画(間仕切り)人・物・空気食品衛生法施行規則 別表第十九 第二号
工程を踏まえた設備の配置人・物同上。医薬品は製品等と資材の混同・汚染を防ぐ配置(薬局等構造設備規則 第6条第2号)
作業室を他の人の通路にしない人秤量・調製・充塡・閉塞の作業室(GMP省令 第9条第1項第4号)
空気の流れの管理(室圧の差)空気食品衛生法施行規則 別表第十九 第二号
作業室の専用化と空調の別系統空気・設備微量で過敏症反応を示す製品等、交叉汚染を防ぐ適切な措置をとれない製品等(GMP省令 第9条第1項第5号)
手洗い設備と更衣の場所人流水式手洗い設備・水栓は再汚染を防ぐ構造(別表第十九 第三号チ)/手洗設備・更衣を行う場所(構造設備規則 第6条第3号)
逆流しない排水の配管水汚水の逆流で食品を汚染しない配管(別表第十九 第三号リ)

※e-Gov法令検索で各条文の現行版を取得して照合(2026年9月28日確認)。食品衛生法施行規則 別表第十九は営業施設の基準で、都道府県等はこれを参酌して条例で基準を定める。

室圧の向きは、守る対象で逆になります。製品を外の汚れから守るなら、清浄にしたい部屋の圧力を高くして、汚れた側へ空気を流します。有害な成分や病原体を外へ出さないなら、その部屋を周囲より低い圧力にします。差圧の段差の付け方は換気回数と差圧の記事、医薬品での考え方は医薬品工場のクリーンルーム施工会社の比較で解説しています。

空調を別系統にするなら排気の処理まで決める

施行通知は、漏出を防ぐために空気処理システムを別系統にする場合、作業室の空気が外気へ放出されるまでに終末処理を要するとしています。空調を分けると建設費と維持費に大きく効くため、どの作業室を分けるかは品目の性質から絞り込みます。

区画しなくてよい場合もある

食品衛生法施行規則 別表第十九のただし書きは、食品等や従業者の経路の設定、同じ区画を異なる作業で交替に使うときの適切な洗浄消毒などで必要な措置が講じられていれば、区画しなくてもよいとしています。GMP省令 第9条第1項第3号も、閉鎖式の設備や層流装置など、製造設備の機能で同程度の効果が得られる場合を除外しています(施行通知の例示)。部屋を増やす前に、設備と運用で足りるかを先に確かめてください。

参照:e-Gov法令検索「食品衛生法施行規則」別表第十九(2026年9月28日確認)

コンタミネーション対策で法令が求めること

コンタミネーション対策は、業種ごとに根拠の法令が違います。医薬品はGMP省令 第8条の2が交叉汚染の防止を義務づけ、食品は食品衛生法施行規則の衛生管理と施設の基準、アレルゲンは消費者庁の表示の通知が、それぞれ対策の中身を定めています。

コンタミネーション対策に関係する法令・通知と求めていること
法令・通知対象求めていること
GMP省令 第8条の2医薬品の製造業者等交叉汚染を防止するため、製造手順等について所要の措置をとる(令和3年8月1日施行の改正で新設)
GMP省令 第9条医薬品の製造所の構造設備清掃・保守と記録、じんあい・微生物による汚染を防ぐ構造設備、作業室の専用化と漏出防止、適用外の物品の製造の制限
薬局等構造設備規則 第6条医薬品の製造所製品等と資材の混同・汚染を防ぐ配置、手洗設備・便所・更衣の場所、防じん・防虫の構造
食品衛生法施行規則 別表第十七食品等事業者の衛生管理器具・清掃用機材・保護具などを汚染や作業終了のたびに消毒して乾燥させる
食品衛生法施行規則 別表第十九営業施設の構造・設備作業区分に応じた区画、設備の配置、空気の流れの管理、手洗い設備、排水の逆流防止
消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」アレルゲンの表示洗浄・製造順・専用器具などの防止策の徹底。排除できない場合は注意喚起表記を推奨。可能性表示は認めない

※GMP省令・薬局等構造設備規則・食品衛生法施行規則はe-Gov法令検索の現行条文、施行日は厚生労働省の施行通知(令和3年4月28日 薬生監麻発0428第2号)で照合(2026年9月28日確認)。

施行通知は、第8条の2の措置をとるにあたっても品質リスクマネジメントの活用を求め、交叉汚染の防止には構造設備(第9条ほか)と製造管理(第10条ほか)の遵守が不可欠としています。手順書だけでは足りず、建物と設備の条件がそろって初めて成り立つ規定です。医薬品のグレード区分はクリーンルームのグレードの記事にまとめています。

アレルゲンの量の目安も通知に書かれています。消費者庁の通知は、総たんぱく量が数μg/ml濃度レベルまたは数μg/g含有レベル以上の食品は表示が必要と考えられるとした研究班の報告を引き、行政の検査のスクリーニングでは、食品1g当たりの特定原材料由来のたんぱく質が10μg以上を陽性としています。

参照:e-Gov法令検索「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」第八条の二・第九条(2026年9月28日確認)

コンタミネーションを実験室で防ぐ区域分け

PCRを行う研究室・検査室では、増幅後のPCR産物が代表的な汚染源です。増幅前の試料・試薬の調製と、増幅後のチューブを扱う作業の場所を分け、反応後のチューブを不用意に開けないことが防止策の基本になります。

東洋紡は、PCR産物は108〜1010コピー/μLと非常に高いコピー数になり、ごく微量でも以前のPCR産物が混じると偽陽性や定量の誤りが起きると説明しています。合成DNAをプラスチックバットに塗って乾かし、1〜7日後に拭き取って測った同社の実験では、7日後のDNAの残存率はおよそ20%でした。汚染された場所を触ったり踏んだりすると、DNAが実験室に広がるとしています。

実験室(PCR)のコンタミネーション防止策と起きたときの対処
場面対策出典
作業中PCR反応後のチューブを不用意に開けない/実験した手袋を付けたまま実験器具を触らない/dUTPを含む試薬を使う東洋紡
部屋の使い方試料の調製場所と検査場所は区切られた空間にする消費者庁の通知(アレルゲンの検査方法)
起きてしまったとき実験台や床を0.5%程度の次亜塩素酸溶液で拭く(エタノールでは完全に除去できない)/試薬類と滅菌水を交換する/PCRを行う部屋を変える東洋紡

※東洋紡「コンタミネーションを防ぐには?」、消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」の検査方法の記載による(2026年9月28日確認)。

「PCRを行う部屋を変える」が対処に入っていることが示すとおり、汚染が部屋に広がると、運用だけでは戻せなくなります。新しく実験室をつくる段階で、増幅前と増幅後の作業の部屋を分け、物と人の流れを増幅前から増幅後への一方向にそろえておくと、あとから部屋を移す事態を避けやすくなります。

作業台の選び方も関係します。試料を外の汚れから守るならクリーンベンチ、扱う物から作業者を守るなら安全キャビネットで、役割が違います。違いはクリーンベンチの記事と安全キャビネットの記事、研究施設の施工会社は研究施設のクリーンルーム施工会社の比較で確認できます。

参照:東洋紡株式会社 バイオ事業総括部「コンタミネーションを防ぐには?」(2026年9月28日確認)

コンタミネーション防止策を発注前に決めること

施設で分ける対策は、あとから足すほど費用がかさみます。扱う品目と混入したときの影響、共用で管理できるか、区画・動線・室圧、空調の系統と排気の処理を、見積もりの前に決めて施工会社へ渡します。

コンタミネーション防止策で発注前に決めることと根拠
決めること中身関係する根拠
扱う品目と影響の大きさアレルゲン、強い感作性・薬理作用のある成分、病原体、PCR産物などの有無GMP省令 第9条第1項第5号、消費者庁の通知
共用か専用か洗浄で管理できるか。残留の限度値と確かめる方法を決められるかGMP省令 第9条第2項と施行通知
区画と動線作業区分ごとの部屋割り、人と物の入口・出口、作業室を通路にしない配置別表第十九 第二号、GMP省令 第9条第1項第4号
室圧の向き製品を守る陽圧か、閉じ込める陰圧か。部屋ごとの差圧の段差別表第十九 第二号(空気の流れの管理)
空調の系統と排気の処理別系統にする作業室と、外気へ出すまでの終末処理GMP省令 第9条第1項第5号と施行通知
洗浄・清掃と記録洗いやすい設備と内装、清掃・保守の手順と記録の様式GMP省令 第9条第1項第1号、別表第十七
将来の品目追加新しい品目を足したときに専用化や系統の追加ができる余地—

※各項目の出典は本文の各章に記載(2026年9月28日確認)。

専用の作業室や空調の別系統は、必要な品目に絞るのが基本です。洗浄と製造順で管理でき、その効果を検証と記録で示せるなら、共用のままでよい場合もあります。逆に、感作性の強い成分のように法令が専用化を求める品目は、運用の工夫では代えられません。

既存の工場で区画や室圧を変えるならクリーンルーム改修工事の会社比較、物だけを受け渡す箱はパスボックスのメーカー比較が参考になります。食品工場なら食品工場のクリーンルーム施工会社、医薬品なら医薬品工場のクリーンルーム施工会社、全体の比較はクリーンルームの施工会社比較から探せます。入室の手順と更衣は入室手順の記事、清掃の進め方は清掃の記事、洗いやすい床と壁は床材の記事にまとめています。

参照:e-Gov法令検索「薬局等構造設備規則」第六条(2026年9月28日確認)

コンタミネーションの防止策に関するよくある質問

コンタミネーションの防止策について、異物混入との違い、注意喚起表示との関係、医薬品で作業室を共用できる条件、食品工場の区画の要否、PCRで汚染が起きたときの対処など、設計前に多い質問に本文の内容をもとに答えます。

コンタミネーションと異物混入は何が違いますか?

どちらも本来含まれるべきでない物が入ることですが、異物混入は虫・毛髪・金属片など目に見える物を指して使われることが多く、コンタミネーションはアレルゲン・他品目の成分・微生物・DNAなど目に見えない物の持ち越しを指して使われることが多い言葉です。別の製品や工程から移るものは交差汚染と呼ばれます。

アレルゲンの注意喚起表示をすれば、防止策は不要ですか?

不要にはなりません。消費者庁の通知は、製造ラインの十分な洗浄、特定原材料等を含まない食品から順に製造すること、可能な限り専用器具を使うことなどの対策の徹底を求め、それでも可能性を排除できない場合に注意喚起表記を推奨しています。「入っているかもしれない」といった可能性表示は認められていません。

同じ作業室で複数の医薬品を製造できますか?

品目によります。GMP省令 第9条第1項第5号は、飛散しやすく微量で過敏症反応を示す製品等や、交叉汚染を防ぐ適切な措置をとれない強い薬理作用・毒性のある製品等について、作業室を専用にし、空調の別系統などで漏出を防ぐことを求めています。施行通知は、共用する場合の措置として残留の限度値の設定と検証された洗浄などを挙げています。

食品工場は作業区域ごとに必ず部屋を区画しなければなりませんか?

必ずではありません。食品衛生法施行規則 別表第十九は、作業区分に応じた区画・設備の配置・空気の流れの管理を求めていますが、食品等や従業者の経路の設定、同じ区画を交替で使うときの適切な洗浄消毒などで必要な措置が講じられている場合は、この限りでないとしています。

PCRでコンタミネーションが起きたらどうすればいいですか?

東洋紡は、実験台や床を0.5%程度の次亜塩素酸溶液で拭く(エタノールでは完全に除去できない)、試薬類と滅菌水を交換する、PCRを行う部屋を変える、といった方法を挙げています。予防には、反応後のチューブを不用意に開けない、実験した手袋のまま器具に触らない、dUTPを含む試薬を使う、が挙げられています。

この記事を書いた人

執筆・編集:クリーンルームラボ 編集部

クリーンルームの設計施工会社について、対応分野・施工体制・公表実績を公式情報にもとづいてまとめています。

参照した情報:e-Gov法令検索 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)第8条の2・第9条/厚生労働省 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について(令和3年4月28日 薬生監麻発0428第2号)/e-Gov法令検索 薬局等構造設備規則 第6条/e-Gov法令検索 食品衛生法施行規則 別表第十七・別表第十九/消費者庁「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」/東洋紡株式会社 バイオ事業総括部|コンタミネーションを防ぐには?(2026年8月29日確認)

最終更新:2026年9月28日