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ドラフトチャンバーとは?
原理と種類、有機則・特化則で決まる選び方

最終更新:2026年9月25日

ドラフトチャンバーとは? 原理と種類、有機則・特化則で決まる選び方付帯設備ドラフトチャンバーとは?原理と種類、有機則・特化則で決まる選び方

ドラフトチャンバーとは、有害なガスや蒸気を囲いの中で吸い込み、屋外へ排気して作業者を守る局所排気装置です。ヒュームフードとも呼ばれます。前面の開口から内側へ向かう気流をつくり、中の汚染空気が作業者側へ漏れないようにします。

導入で迷いやすいのは、どの型を選ぶかより先に、取り扱う物質によって法令の要求が変わる点です。有機溶剤中毒予防規則(有機則)と特定化学物質障害予防規則(特化則)は、開口面の風速や排気口の位置まで定めています。

この記事では、原理と種類、2つの規則が求める条件、クリーンルームに置くときの室圧の考え方、発注前に決めることを整理します。条文は2026年9月17日にe-Gov法令検索の現行版で確認しました。

目次
  1. ドラフトチャンバーは作業者を守る局所排気装置
  2. ドラフトチャンバーの原理は開口面の気流
  3. ドラフトチャンバーとクリーンベンチの違い
  4. ドラフトチャンバーの種類と排気方式
  5. ドラフトチャンバーの要否は有機則・特化則で決まる
  6. ドラフトチャンバーの排気と排ガス処理
  7. クリーンルームにドラフトチャンバーを置くとき
  8. ドラフトチャンバーの選び方と発注前の確認
  9. ドラフトチャンバーに関するよくある質問

ドラフトチャンバーは作業者を守る局所排気装置

ドラフトチャンバーが守る対象は、作業者と、その周りの室内環境です。試料を清浄に保つ装置ではありません。この点がクリーンベンチとの一番大きな違いになります。

厚生労働省の職場のあんぜんサイトは、局所排気装置を、有害物質が作業場全体に広がる前に発生源の近くで捕まえ、清浄化してから大気へ出す装置と説明しています。構成はフード、ダクト、空気清浄装置、ファン、排気口です。本記事の対象は、このうちフードが作業台ごと囲う形になった装置です。

同省が試験研究向けにまとめた資料も、密閉化が難しい作業は「可能な限りドラフトチャンバーの中で化学物質の取扱いを行う」よう求めています。研究所や品質管理室で、秤量・溶解・加熱などを行う場面が典型です。

装置を構成する部分と役割
部分役割発注時に決めること
本体(フード)作業台を囲い、前面の開口から空気を吸い込む幅・奥行、内装の材質、サッシの形式
ダクト吸い込んだ空気を排気ファンまで運ぶ経路の長さと曲がりの数、材質、天井・壁の貫通位置
空気清浄装置排気に含まれるガスや粉じんを取り除くスクラバー(洗浄塔)や活性炭などの方式
排気ファン装置全体の風量をつくる風量と静圧、設置位置、耐食性
排気口処理後の空気を外気へ出す屋上か外壁か、高さ、給気口や窓との距離

参照:厚生労働省 職場のあんぜんサイト「局所排気装置」(安全衛生キーワード)/「化学物質を使用する試験研究における作業」(2018年3月作成)(いずれも2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーの原理は開口面の気流

ドラフトチャンバーの原理は、排気ファンで内部の空気を吸い出し、前面の開口から内側へ向かう気流をつくることです。内部は周囲より低い圧力(陰圧)になり、発生したガスは作業者側へ出にくくなります。

性能を左右するのは、開口面を通る風の速さです。有機則は、囲い式フードの局所排気装置に制御風速0.4メートル毎秒を出せる能力を求めています。ここでいう制御風速は、平均ではなく「フードの開口面における最小風速」です。開口のどこか1点でも遅い場所があれば、そこから漏れるという考え方です。

風速は、同じ排気量でも開口の大きさで変わります。前面のサッシ(上下に動く窓)を大きく開けるほど、開口面の風速は下がります。サッシを必要な高さまでしか開けない運用が求められるのはこのためです。

  • サッシの開けすぎ——開口面の風速が下がり、漏れやすくなります
  • 開口の前を人が横切る——開口付近の気流が乱れ、内部の空気が引き出されます
  • 空調の吹き出しが開口に当たる——横からの風で、内側へ向かう気流が崩れます
  • 内部に物を詰め込む——奥の吸い込み口がふさがり、渦ができます

有機則の第18条は、作業している間はこの制御風速以上で稼働させることも求めています。装置の能力と、実際の使い方の両方が問われる点を押さえておいてください。

参照:e-Gov法令検索「有機溶剤中毒予防規則」第十六条・第十八条(2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーとクリーンベンチの違い

見た目が似ていても、ドラフトチャンバーは作業者を守り、クリーンベンチは試料を守ります。気流の向きが逆で、ドラフトは外から内へ吸い込み、クリーンベンチはフィルターを通した空気を内から外へ吹き出します。

取り違えると事故につながります。クリーンベンチで有機溶剤を扱うと、揮発した蒸気は吹き出す空気に乗って作業者側へ出てきます。反対に、ドラフトで無菌操作をしても、室内の空気を吸い込むため試料は清浄になりません。

ドラフト・クリーンベンチ・安全キャビネットの違い
装置守る対象気流向く作業
ドラフトチャンバー作業者・室内環境開口から内側へ吸い込み、屋外へ排気有機溶剤・酸・特定化学物質の取扱い、加熱・反応
クリーンベンチ試料HEPAフィルターを通した空気を作業台へ吹き出す無菌操作、精密部品の組立・検査
安全キャビネット試料と作業者(クラスによる)前面から吸い込み、HEPAフィルターを通して排気病原体など生物由来の試料の取扱い

安全キャビネットは、エアロゾル(微粒子)の漏れを止めるための装置です。HEPAフィルターは粒子を捕集するフィルターで、ガスや蒸気は除去の対象ではないため、化学物質の取扱いはドラフトチャンバーの役割になります。クリーンベンチと安全キャビネットの違いはクリーンベンチの清浄度の記事、安全キャビネットのタイプごとに扱える揮発性物質は安全キャビネットの記事で整理しています。

ドラフトチャンバーの種類と排気方式

ドラフトチャンバーの種類は、排気風量の制御方式と、本体の形状の2つの軸で分けると整理しやすくなります。法令上の扱いが変わるのは、排気をどう処理するかの違いです。

理化学機器商社の池田理化は、一定風量(CAV)型を「サッシの開閉状態に関わらず、常に一定量を排気し続ける」方式、可変風量(VAV)型を「サッシの開閉状態に合わせて排気風量が自動調整され、開口面の風速が一定になる」方式と説明しています。

排気方式による違い
方式しくみ向く場面建物側の注意
一定風量(CAV)サッシの位置に関係なく同じ量を排気加熱を伴う実験など、換気を安定させたい作業常に最大量の給気が要り、空調の負荷が大きい
可変風量(VAV)サッシの開度に合わせて排気量を増減排気量と空調の負荷を抑えたい施設排気量の変化に給気を追従させる制御が要る
プッシュプル型吸い込みに加えて補助の気流を吹き出し、気流の幕をつくる排気量を抑えたい部屋周囲の気流の影響を受けやすく、空調の吹き出し位置に配慮する
ダクトレス型内蔵ファンで吸い込み、フィルターで除去して室内へ戻すダクトを通せない場所、扱う物質と量が限られる作業フィルターの交換が前提。法令の扱いが局所排気装置と異なる

※しくみの説明は池田理化・オリエンタル技研工業の公表コラムによる(2026年9月17日確認)。

形状は、作業台が一体になった床置き型、実験台に載せる卓上型、台車や大型機器ごと入れる床面まで開いたウォークイン型が一般的です。内装の材質にはステンレス、塩化ビニル、スチールなどがあり、扱う薬品への耐食性と加熱の有無から決めます。

注意したいのが、プッシュプル型とダクトレス型の法令上の扱いです。プッシュプル型換気装置は、有機則第16条の2で「厚生労働大臣が定める構造及び性能」を別に求められます。ダクトレス型は、排気口を外気に向けて開放するという局所排気装置の要件(有機則第15条の2、特化則第7条)とかみ合いません。オリエンタル技研工業は、ダクトレス型を発散防止抑制措置として位置づけ、第2種有機溶剤や第2種特定化学物質を扱う場合は設置後に労働基準監督署長の特例実施許可を申請する必要があると整理しています。

参照:株式会社池田理化「ドラフトチャンバーとは?種類・原理・選び方・おすすめメーカーをご紹介」/オリエンタル技研工業株式会社「最適なドラフトチャンバーの選び方」/同「ヒュームフード(ドラフトチャンバー)は構造によってルールが異なる?」(いずれも2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーの要否は有機則・特化則で決まる

ドラフトチャンバーなどの局所排気装置を設けなければならないかは、扱う物質と作業で決まります。有機溶剤なら有機則、特定化学物質なら特化則を見ます。

有機則の条文にドラフトチャンバーという言葉は出てこず、「局所排気装置」や「囲い式フード」として規定されています。特化則でも「ドラフトチエンバー」の語が出てくるのは、製造が禁止・許可制の物質を試験研究のために製造する場合の基準(第47条・第50条第2項)です。

有機則は、第一種・第二種有機溶剤等を屋内作業場で扱う業務に、密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれかを求めています(第5条)。対象業務には「有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務」が明記されており、研究所の作業も対象です。

ただし、使う量が少ない場合の除外があります。作業時間1時間に消費する有機溶剤等の量が「許容消費量」を超えないときは、設備の規定(第2章)などが適用されません(第2条)。許容消費量は、作業場の気積(床から4メートルを超える空間を除き、150立方メートルが上限)から計算します。

有機則の許容消費量
区分許容消費量の式(1時間あたり)気積150立方メートルの部屋の場合
第一種有機溶剤等W=1/15×A10グラム
第二種有機溶剤等W=2/5×A60グラム
第三種有機溶剤等W=3/2×A225グラム

※Wは許容消費量(グラム)、Aは作業場の気積(立方メートル)。右列は式に150を入れた計算値です。第5条の設備の義務は第一種・第二種が対象で、第三種はタンク等の内部の業務で求められます(第6条)。

特化則は、第二類物質のガス・蒸気・粉じんが発散する屋内作業場に、同じく密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置を求めます(第5条)。第一類物質を容器に出し入れする作業では、局所排気装置を囲い式フードのものに限っています(第3条)。

性能の決め方は2つの規則で違います。

有機則と特化則の局所排気装置の性能要件
規則性能の判定方法囲い式フードの数値
有機則 第16条制御風速(開口面の最小風速)0.4メートル毎秒
特化則 第7条・告示第75号 第1号フードの外側の濃度(抑制濃度)。物質ごとに値が決まる例:ベンゼン=空気1立方メートルあたり1立方センチメートル、ホルムアルデヒド=同0.1立方センチメートル
特化則 第7条・告示第75号 第2号制御風速(告示が指定する物質)ガス状0.5メートル毎秒、粒子状1.0メートル毎秒

特化則の物質は、多くがフード外側の濃度で判定され、制御風速で判定されるのは告示が指定する一部の物質です。「特化則は0.5メートル毎秒」と一律に覚えていると、測る項目を取り違えます。扱う物質がどちらに当たるかは、告示の表で確認してください。

このほか、法令で個別に規定されていない化学物質でも、リスクアセスメント対象物にはばく露を最小限度にする義務があり(労働安全衛生規則第577条の2)、その手段の1つに局所排気装置が挙がっています。設置の計画届や年1回の定期自主検査など、設置後の手続きも規則ごとに決まっています。

参照:厚生労働省 法令等データベース「特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能」(2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーの排気と排ガス処理

ドラフトチャンバーの排気は、屋外へ出すことが前提です。有機則は局所排気装置の排気口を「直接外気に向かつて開放しなければならない」とし、特化則も排気口を屋外に設けるよう定めています。

有機則には高さの規定もあります。空気清浄装置を設けていない屋内作業場の局所排気装置は、排気口の高さを屋根から1.5メートル以上にします(第15条の2第2項。排出される濃度が告示の値に満たない場合を除く)。既存の建物に増設するとき、屋上までダクトを立ち上げられるかが工事の分かれ目になります。

特化則は、次の物質のガスや蒸気を排出する局所排気装置に、排ガス処理装置を付けるよう求めています(第10条)。

特化則第10条で排ガス処理が必要な物質と処理方式
物質処理方式(いずれか、または同等以上)
アクロレイン吸収方式、直接燃焼方式
弗化水素吸収方式、吸着方式
硫化水素吸収方式、酸化・還元方式
硫酸ジメチル吸収方式、直接燃焼方式

排ガス処理装置を付ける場合、排気ファンは処理した後の空気が通る位置に置くのが原則です(有機則第15条、特化則第7条)。腐食性のガスでファンが傷むのを防ぐためで、爆発や腐食のおそれがないときは例外が認められています。

排気口の位置にも気をつけます。厚生労働省の試験研究向け資料は、排気口がドア・窓・吸気口の近くにあると十分な換気・排気にならないと注意しています。排気口と、空調の外気取入口との距離は設計図で確認してください。

参照:e-Gov法令検索「特定化学物質障害予防規則」第七条・第十条(2026年9月17日確認)

クリーンルームにドラフトチャンバーを置くとき

クリーンルームにドラフトチャンバーを置くと、排気した分だけ外気を入れないと、部屋の陽圧が保てなくなります。清浄度と作業者の安全を両立させるには、ドラフトの排気量を空調の設計条件に最初から入れておく必要があります。

東京大学のクリーンルーム省エネガイドライン(2022年3月)は、陽圧を保つ条件として、外気導入量が「生産機器・実験機器の排気量」と「クリーンルームからの漏れ空気量」の合計を上回る必要があるとしています。漏れ量は、室容積の1〜2回/時程度の加圧を見込むのが目安です。

クリーンルームにドラフトを置くときの設計上の論点
論点起きること設計での対応
陽圧の維持排気量が外気導入量を上回ると陰圧になり、周囲の汚れた空気が入る外気導入量>排気量+漏れ量で計画する
排気量の変動VAV型でサッシを開閉すると排気量が変わり、室圧が揺れる差圧を検知して給気量を追従させる自動制御にする
室圧の調整方法微差圧ダンパと自動制御を併用すると、室圧制御の不具合になることがある排気が変動する部屋では併用を極力避ける
有害ガスを扱う部屋ガスが隣の工程へ流れ出るおそれがある清浄度にかかわらず周囲より低い室圧(陰圧)に設定することがある
運転費導入する外気は夏に冷却・除湿、冬に加熱・加湿が要る装置を使わない時間の排気停止・風量低減を検討する

※東京大学 TSCP「クリーンルーム(CR)省エネガイドライン」3.2.1.1・3.2.1.2・3.2.2.1・3.3.1.4による(2026年9月17日確認)。

能力の不足は、実際の労働災害にもなっています。厚生労働省の資料には、感光剤の試作研究でクリーンルーム内に局所排気装置を稼働させていたものの、能力が不十分で有機溶剤の蒸気がクリーンルーム内に漏れ、呼吸用保護具を使っていなかった作業者が長期間ばく露して慢性有機溶剤中毒になった事例が載っています。

クリーンルームは気密が高く、部屋の空気の流れは空調の設計で決まります。ドラフトを後から増設すると、外気の処理能力や室圧制御が足りなくなることがあります。差圧と換気回数の考え方は換気回数と差圧の記事、空調方式は空調方式の記事で解説しています。

参照:東京大学 TSCP産学連携研究会「クリーンルーム(CR)省エネガイドライン」(2022年3月・2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーの選び方と発注前の確認

ドラフトチャンバーは、扱う物質と量を先に書き出し、法令の要求から逆算して選ぶのが基本です。本体のカタログを比べるのは、その後になります。

  1. 扱う物質と量を一覧にする——物質名、有機則・特化則の区分、1時間あたりの使用量、加熱の有無。SDS(安全データシート)で危険有害性を確認します
  2. 必要な性能を決める——有機則の制御風速か、特化則の抑制濃度か制御風速か。排ガス処理装置が要るか
  3. 排気方式を決める——台数と空調の余力からCAV・VAVを選ぶ。ダクトレス型は許可の手続きまで含めて検討します
  4. 建物側の条件を確認する——ダクトの経路、屋上の排気口の位置、外気の処理能力、クリーンルームなら室圧制御
  5. 搬入と設置スペースを測る——扉・エレベーター・廊下の寸法、床の耐荷重、前面の作業スペース
見積もり前に伝える項目
伝える項目伝えないと起きること
物質名と使用量材質や排ガス処理の要否が決まらず、見積もりが比べられない
同時に使う台数排気ファンと給気の容量が不足する
設置する部屋の清浄度・室圧クリーンルームの陽圧が保てない
排気口を出せる場所ダクト工事の費用が後から膨らむ
法令上の手続きの分担計画の届出(工事開始の30日前まで)や測定の担当が曖昧になる

導入した後は、使う前の確認が欠かせません。厚生労働省の資料は、前日まで使えたドラフトが突然機能しなくなる事例も珍しくないとして、前面扉の開閉、異音、風量の3点を使用前に確認するよう勧めています。

装置単体の購入で済まず、排気ダクト・外気処理・室圧制御まで工事が広がる場合は、クリーンルームの設計施工会社にまとめて相談すると調整の手戻りが減ります。研究施設の実績がある会社は研究施設のクリーンルーム施工会社、既存の部屋への増設はクリーンルーム改修工事の会社で比べられます。全体の比較はクリーンルーム設計施工会社の比較ページにまとめています。

参照:e-Gov法令検索「有機溶剤中毒予防規則」/「特定化学物質障害予防規則」/「労働安全衛生規則」/「労働安全衛生法」第八十八条(いずれも2026年9月17日確認)

ドラフトチャンバーに関するよくある質問

ドラフトチャンバーについて、ヒュームフードとの呼び方の違い、必要な面風速、少量の溶剤でも要るのか、クリーンルームの中に置けるか、ダクトレス型の法令上の扱いなど、発注前に多い質問に本文の内容をもとに答えます。

ドラフトチャンバーとヒュームフードは同じものですか?

同じ装置を指す呼び方です。メーカーや商社の資料では、両方の呼び方が使われています。法令の条文にはどの名称も出てこず、有機則や特化則では「局所排気装置」や「囲い式フード」として扱われます。

ドラフトチャンバーの面風速はいくつ必要ですか?

扱う物質で変わります。有機溶剤なら有機則第16条で、囲い式フードは開口面の最小風速0.4メートル毎秒です。特化則の物質は、多くがフード外側の濃度で判定され、制御風速で判定される物質はガス状0.5メートル毎秒、粒子状1.0メートル毎秒です。

研究所で少量の溶剤を使うだけでもドラフトチャンバーは必要ですか?

量によります。有機則は試験研究の業務も対象ですが、1時間に消費する有機溶剤等が許容消費量を超えないときは、設備の規定などが適用されません。気積150立方メートルの部屋では、第二種有機溶剤等で1時間60グラムが目安です。

クリーンルームの中にドラフトチャンバーを置けますか?

置けますが、空調の設計に排気量を入れる必要があります。排気した分だけ外気を入れないと、部屋の陽圧が保てません。排気量が変わるVAV型では、差圧を検知して給気を追従させる制御も必要です。後から増設する場合は、外気の処理能力が足りるかを確認してください。

ダクトレスのドラフトチャンバーなら工事は要りませんか?

ダクト工事は減りますが、法令の扱いに注意が要ります。有機則・特化則の局所排気装置は排気口を外気へ開放する前提のため、ダクトレス型は発散防止抑制措置として扱われ、労働基準監督署長の特例実施許可が要るとメーカーは整理しています。フィルターの交換も前提になります。

この記事を書いた人

執筆・編集:クリーンルームラボ 編集部

クリーンルームの設計施工会社について、対応分野・施工体制・公表実績を公式情報にもとづいてまとめています。

参照した情報:e-Gov法令検索「有機溶剤中毒予防規則」(第一条・第二条・第五条・第十四条〜第十六条・第十八条)/e-Gov法令検索「特定化学物質障害予防規則」(第三条・第五条・第七条・第八条・第十条)/厚生労働省 法令等データベース「特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能」(昭和50年労働省告示第75号)/厚生労働省 職場のあんぜんサイト「化学物質を使用する試験研究における作業」(2018年3月作成)/東京大学 TSCP産学連携研究会「クリーンルーム(CR)省エネガイドライン」(2022年3月)(2026年8月29日確認)

最終更新:2026年9月25日