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組み立て式クリーンブースの価格は?
構造の違いと対応5社の比較

アルミフレームを現地で組み上げる簡易型のクリーンブースについて、対応を公式サイトで確認できた5社の比較と、価格・清浄度・選び方をまとめました

最終更新:2026年9月25日

組み立て式クリーンブースの価格は? 構造の違いと対応5社の比較用途別ガイド組み立て式クリーンブースおすすめ比較5選

組み立て式クリーンブースは、掲載5社のうちトヨシマ電機と伸榮産業が本体価格を公表しています。トヨシマ電機の簡易クリーンブースは1,500mm角のクラス10,000で税抜227,000円、2,500mm角のクラス100で税抜514,000円、伸榮産業の組立式クリーンブースKCB-112(1,500mm角)はカタログで253,000円です(運賃別途。2026年9月25日確認)。

価格差を生むのは面積より清浄度です。同じ2,500mm角でも、クラス100,000とクラス100では約1.6倍の開きがあります。フレームの材質、囲いをカーテンにするか板張りにするか、床をどう納めるかでも金額と使える工程が変わります。

このページでは、対応を公式サイトで確認できた5社の公表仕様を並べたうえで、価格と納期、構造と材質、出せる清浄度の限界、選ぶ手順、据え付け型に切り替えるべき場合を整理します。

目次
  1. 組み立て式クリーンブースに対応する5社
    1. トヨシマ電機株式会社
    2. 伸榮産業株式会社
    3. 蒲田工業株式会社
    4. 日本エアーテック株式会社
    5. コトヒラ工業株式会社
  2. 組み立て式クリーンブースの公表仕様
  3. 組み立て式クリーンブースの価格と納期
  4. 組み立て式クリーンブースの構造と材質
  5. 清浄度はどこまで出せるのか
  6. 組み立て式クリーンブースを選ぶ5手順
  7. 据え付け型に切り替えるべき3つの場合
    1. 規格・制度の数値は必ず原文で確認してください
  8. 組み立て式クリーンブースのよくある質問

組み立て式クリーンブースに対応する5社

この用途への対応を公式サイトで確認できた設計施工会社3社とクリーン機器メーカー2社です。掲載順は順位ではありません(順不同)。用途ごとの記載根拠はこの下の表にまとめています。選定の考え方は掲載・選定基準をご覧ください。

組み立て式クリーンブースに対応する5社
会社名本社・拠点公式サイトで確認できる対応分野施工体制料金の公表
トヨシマ電機株式会社愛知県小牧市クリーンブース/ライン式クリーンルームクリーンブース・クリーンルームの施工・改修—
伸榮産業株式会社大阪府大東市/大阪工場・関東営業所(全国対応と公表)クリーンブース/クリーンベンチ/エアシャワー特注の開発・製造・設計施工—
蒲田工業株式会社東京都港区/全国8営業所ICR/BCR/恒温恒湿/バリデーションクリーンルームの設計・製作・施工—
日本エアーテック株式会社東京都台東区/国内営業所・工場クリーンルーム/クリーンベンチ/バイオハザードクリーンエアシステムの設計・製造・販売—
コトヒラ工業株式会社長野県東御市食品工場/水産工場/機械工場クリーンルーム機器の自社開発・製造—

トヨシマ電機株式会社

トヨシマ電機株式会社の公式サイト
引用:toyoshimadenki.co.jp

クリーンブースとクリーンルームの施工・改修を掲げる会社です。ライン式クリーンルームシステムにより施工が簡単で短納期・低価格を実現すると公表し、施工実績を寸法付きで随時公開しています。

この会社の特徴

  • クリーンブースとクリーンルームの違いを明示——クリーンブースは部屋の一部をクリーン化する装置、クリーンルームは空調とクリーン化を伴う部屋全体と説明を分けています。
  • 施工実績を寸法付きで公開——「3,000W×2,000」「8,600×7,500」など、完了したクリーンブース工事の寸法を実績として掲載しています。
  • ライン式で短納期・低価格を掲げる——ライン式クリーンルームシステムにより施工が簡単で短納期・低価格を実現するとしています。

施工の対応範囲

トヨシマ電機株式会社
所在地愛知県小牧市若草町86番地
主な対応分野クリーンブース/ライン式クリーンルーム
施工体制クリーンブース・クリーンルームの施工・改修
公表実績施工実績をサイズ付きで随時公開(2025年10月・2025年2月など)
料金の公表クリーンブース本体の価格を製品ページで公表(簡易クリーンブースTBU-Bシリーズ 税抜227,000円〜514,000円・組立費と送料別)。クリーンルーム工事と保守の料金は非公表

こんな人に向いています:生産ラインの一部だけをクリーン化したい、まず小規模から始めたい企業
組み立て式クリーンブースで確認したいこと:クリーンルームの工事費用は公表されていません。クリーンブースは製品ページで本体価格を公表しています(簡易クリーンブースTBU-Bシリーズは税抜227,000円〜514,000円で、組立費と送料は別です。同社は2026年4月17日に価格改正を告知し、詳細は商品ごとに問い合わせるよう案内しています)。拠点は愛知県小牧市の1か所で、全国どこでも設置・組み立てするとしていますが、出張費は個別に確認してください。

伸榮産業株式会社

伸榮産業株式会社の公式サイト
引用:s-shin-ei.co.jp

クリーンルーム・クリーンブースなどのクリーン関連設備と理化学研究機器を特注で開発・製造する一貫体制のメーカーです。クリーンブースについて「特注設計施工」と明記し、半導体工場の防爆・耐薬品対応やAIデータセンター向けの対象工程と構成例を挙げています。

この会社の特徴

  • 特注のオーダーメイドを前面に出している——現場の環境・レイアウトに合わせた自由度の高いオーダーメイド対応を掲げています。
  • 開発から製造まで一貫体制と公表——大阪工場を持つ一貫体制のメーカーであり、全国対応と明記しています。
  • 建設業許可を保有——大阪府知事許可 第151490号として、とび・土工工事業、電気工事業、管工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業を公表しています。

施工の対応範囲

伸榮産業株式会社
所在地大阪府大東市諸福5-14-3
主な対応分野クリーンブース/クリーンベンチ/エアシャワー
施工体制特注の開発・製造・設計施工
公表実績防爆・耐薬品対応やデータセンター向けの特注対応を公表
料金の公表規格品クリーンブースの本体価格をカタログで公表(組立式KCB-112 253,000円〜KCB-222 350,000円、アルミ製組立式CBM-1500 348,000円・CBM-2000 460,000円など。運賃別途・税の表示なし)。特注品と工事は個別見積

こんな人に向いています:防爆・耐薬品など、標準品では収まらない要件があるクリーンブースを検討する企業
組み立て式クリーンブースで確認したいこと:特注クリーンブースと工事の費用は公表されていません。規格品のクリーンブースはカタログPDFで本体価格を公表しています(組立式クリーンブースKCB-112が253,000円、アルミ製の組立式CBM-1500が348,000円など。運賃別途で、税の表示はありません)。拠点は大阪(本社・本社工場)と関東営業所で、それ以外の地域の施工体制は個別に確認してください。

蒲田工業株式会社

蒲田工業株式会社の公式サイト
引用:kamata.co.jp

クリーンルーム事業の専用サイトで「クリーンルームの設計施工専門」を掲げる会社です。事業内容に「クリーンルームの設計・製作・施工」「クリーンブースの設計・製作・施工」を明記し、営業所を東京・神奈川・埼玉・静岡・名古屋・大阪・広島・熊本に構えています。

この会社の特徴

  • 設計から施工まで一貫対応を明記——事業内容に「クリーンルームの設計・製作・施工」と記載があります。ICR・BCR・恒温恒湿・バリデーションを対象に挙げています。
  • 特定建設業許可を保有——東京都知事許可(特-4)第94313号 建築工事業ほか、管工事業・機械器具設置工事業・とび・土工工事業などを公表しています。
  • 営業所を8か所公開——三郷・相模原・富士・静岡・名古屋・大阪・福山・熊本に営業所、富士と三重に工場があると公表しています。

施工の対応範囲

蒲田工業株式会社
所在地東京都港区港南2-16-3 品川グランドセントラルタワー24F
主な対応分野ICR/BCR/恒温恒湿/バリデーション
施工体制クリーンルームの設計・製作・施工
公表実績クリーン環境構築の実績30年以上と公表
料金の公表公式サイトで料金の記載を確認できず

こんな人に向いています:大規模改修を含めて関連工事まで一括で任せたい企業
組み立て式クリーンブースで確認したいこと:費用は公表されていません(概算は、寸法・清浄度・空調の有無を伝えて依頼する形です)。工期はよくある質問で、発注から設置完了まで約2か月となることが多く、サイズ・仕様によっては短縮できると回答しています。自社の条件での工期は見積もり時に確認してください。

日本エアーテック株式会社

日本エアーテック株式会社の公式サイト
引用:airtech.co.jp

クリーンエアシステムの専門メーカーとして、クリーンルーム、クリーンベンチ、バイオハザードシステム等の設計製造・販売を行う会社です。自立型のオールインワンクリーンルームは、天井吊り下げ工事が不要で工期は通常1週間程度と公表しています。

この会社の特徴

  • 仕様と工期を数値で公表している——オールインワンクリーンルームについて、清浄度ISOクラス7(クラス10,000)、寸法6,800×4,000×2,500mm、工期は通常1週間程度と明記しています。
  • 必要なものをパッケージ化——クリーンスーツ・クリーンローラー・ワイパー・リバマットのスターターセットが付属し、完成後すぐ作業を始められるとしています。
  • 延長保証と定期点検のパックがある——メンテナンスパック(オプション)として、延長保証と1年ごとの定期点検、外気処理HEPAフィルター交換などを公表しています。

施工の対応範囲

日本エアーテック株式会社
所在地東京都台東区入谷1-14-9
主な対応分野クリーンルーム/クリーンベンチ/バイオハザード
施工体制クリーンエアシステムの設計・製造・販売
公表実績オールインワンクリーンルームはISOクラス7・工期は通常1週間程度と公表
料金の公表クリーンルーム本体・工事の料金は記載なし(公式オンラインショップでフィルターユニット・消耗品などの価格を掲載)

こんな人に向いています:短工期でクラス10,000程度のクリーンルームを立ち上げたい企業
組み立て式クリーンブースで確認したいこと:建物側の設備・電気工事はオプション扱いで、設置可能な条件があります。北海道・沖縄・離島は別途費用が発生すると明記されています。

コトヒラ工業株式会社

コトヒラ工業株式会社の公式サイト
引用:kotohira.biz

食品工場や水産工場、機械工場など高い衛生環境が求められる現場向けの機器を自社開発・製造するメーカーです。製品群のひとつとしてクリーンルーム機器を持ち、食品工場用エアシャワー、衣類用ダストクリーナー、集塵機などを公開しています。

この会社の特徴

  • 食品工場向けの機器を明示している——食品工場用エアシャワーについて、コンパクト設計で既存設備にも導入可能と公表しています。
  • 異物混入対策の製品を揃えている——衣類用ダストクリーナー、原料投入時の粉体飛散を抑えるクリーンフープ、粉体用小型集塵機などを自社製品として公開しています。
  • 創業1940年・社員297名——創業1940年、設立1945年2月、社員数297名(2025年11月末時点)と公表しています。

施工の対応範囲

コトヒラ工業株式会社
所在地長野県東御市滋野乙1320
主な対応分野食品工場/水産工場/機械工場
施工体制クリーンルーム機器の自社開発・製造
公表実績食品工場用エアシャワーなどの自社製品を公開
料金の公表クリーンルーム機器の料金は記載なし(クリーン機器以外の一部製品に定価の掲載あり)

こんな人に向いています:食品・水産の工場で、エアシャワーや異物対策機器から導入したい企業
組み立て式クリーンブースで確認したいこと:クリーンルーム本体の設計施工については、公式サイトの製品情報では確認できませんでした。オーダーメイドクリーンブースKCBシリーズは、協力会社での組み立て工事後に清浄度測定を行い、後日「測定結果報告書」を送付するとしています。機器単体の導入か、組み立て工事まで含むかを個別に確認してください。なお同社の製品はクリーンルーム機器のほか、小型集塵機、長靴・短靴衛生機器、電解水関連機器、殺菌・脱臭機器、バイオトイレ、スキー関連製品など多岐にわたります(2026年8月29日確認)。クリーンルーム専業のメーカーではありません。

組み立て式クリーンブースのページのPR枠(1社限定)は現在募集中です。掲載をご検討の企業様は広告掲載についてをご覧ください。

組み立て式クリーンブースの公表仕様

当サイトが確認したページに、この用途に関する記載があった会社だけを挙げています。表現は各社の公式サイトの記載に沿っています。

組み立て式クリーンブースの公表仕様
会社名公式サイトで確認できた記載(2026年8月29日確認)
トヨシマ電機株式会社簡易クリーンブースTBU-Bシリーズの本体価格を型番と清浄度クラス別に公表。税抜227,000円〜514,000円で、組立費と送料は含まれないと明記。納期は図面承認後2週間程度。
伸榮産業株式会社組立式クリーンブースの製品ページで、フレームは導電性ABS樹脂被覆鋼管φ28、カーテンはセイデンクリスタルカーテン0.3t、清浄度クラス10000、集塵効率99.99%以上(0.3µm)と公表。
蒲田工業株式会社KAMATAクリーンブースでクラス100〜100000(ISOクラス5〜8)に対応と明記。ビニール仕様と板張り(ハードパーティション)仕様、オリジナルアルミフレームを公開。
日本エアーテック株式会社アルミ型クリーンブースMCBはフレームがアルミ抜型製アルマイト処理、囲いは帯電防止ビニールカーテン。全面層流型・拡散層流型・乱流式の4型番でISO5〜7を公表。
コトヒラ工業株式会社オーダーメイドクリーンブースKCBシリーズでクラス100,000〜100に対応。フレームはアルミ製のほかステンレス製を選べ、納期はご注文から最短2週間程度と公表。

上表は2026年9月7日に各社の公式サイトを確認した時点の記載です。掲載していない会社が「対応していない」という意味ではありません。価格は本体のみの参考価格で、組立費・搬入費・電気工事は各社とも別途です。

組み立て式クリーンブースの価格と納期

掲載5社の製品ページとカタログを確認した範囲で、本体価格を公表しているのはトヨシマ電機と伸榮産業です。トヨシマ電機の簡易クリーンブースTBU-Bシリーズの価格表は、型番と清浄度クラスの組み合わせで示され、組立費と送料は含まれないと明記されています。伸榮産業は組立式クリーンブース(KCBシリーズ)の価格をカタログに載せています(KCB-112が253,000円、KCB-222が350,000円。運賃別途)。

上の比較表の「料金の公表」欄は、クリーンルームの設計施工費用を公表しているかどうかを示しています。規格品に近いブース本体の参考価格は、それとは別に公開している会社があります。

トヨシマ電機 簡易クリーンブースTBU-Bシリーズの公表価格
型番外形寸法クラス100,000クラス10,000クラス1,000クラス100
TBU-1515B1500W×1500D×2000H227,000円227,000円236,000円285,000円
TBU-2020B2000W×2000D×2000H281,000円285,000円331,000円472,000円
TBU-2525B2500W×2500D×2000H322,000円360,000円495,000円514,000円

出典:トヨシマ電機株式会社|サイズ変更対応品 簡易クリーンブース TBU-Bシリーズ(2026年9月7日確認)。表示は税抜価格です。同社は税込価格も併記しており、TBU-1515Bのクラス100,000は税込249,700円、TBU-2525Bのクラス100は税込565,400円と公表しています。なお同社は2026年4月17日に価格改正を告知し、詳細は商品ごとに問い合わせるよう案内しています。クリーンブース一覧ページの価格例は、この製品ページの価格と一致していません。

この表から読めるのは、面積より清浄度のほうが金額に効くという傾向です。1500mm角から2500mm角へ面積を約2.8倍にしてもクラス100,000では1.4倍にしかなりませんが、同じ2500mm角でクラス100,000からクラス100へ上げると1.6倍になります。念のためクラスを1段上げる、という決め方は本体価格にもFFUの運転費にも効いてきます。

納期は各社とも短めです。コトヒラ工業はオーダーメイドクリーンブースについてご注文から最短2週間程度、トヨシマ電機は図面承認後2週間程度と公表しています。日本エアーテックの自立型オールインワンクリーンルームは天井吊り下げ工事が不要で、工期は通常1週間程度と明記されています。本設のクリーンルームは設計から引き渡しまで数か月単位になるため、ここが最大の違いです。

公表されているのは本体価格だけで、組立費・搬入費・電気工事費・床工事費は別です。日本エアーテックは建物側の設備・電気工事をオプション扱いとし、北海道・沖縄・離島は別途費用が発生すると注記しています。総額の考え方はクリーンルームの費用にまとめました。

組み立て式クリーンブースの構造と材質

組み立て式クリーンブースとは、アルミなどの骨組みを現地で組み上げ、天井にファンフィルターユニットを載せてカーテンや板材で四方を囲う簡易型のクリーン設備です。躯体に固定しないため、解体と移設ができます。

組み立て式クリーンブースの部位別の選択肢
部位主な選択肢選ぶときの判断材料
フレームアルミ、ステンレス、樹脂被覆鋼管薬液や腐食性ガスを扱うならステンレス。静電気を嫌う工程は導電性の被覆材。
囲い帯電防止ビニールカーテン、板張り出入りの多さと遮音・遮光の要否。板張りは清掃性が上がるが移設の自由度が下がる。
天井ファンフィルターユニット、全面層流、拡散層流、乱流作業点の真上に清浄空気が要るか、室全体を薄く清浄化すれば足りるか。
床既存床のまま、帯電防止マット、樹脂塗床粒子の堆積と持ち込み。床を触ると工事の性格が変わり工期が延びる。
出入口重ねカーテン、スライド、ドア台車の出入り頻度。開口が大きいほど清浄度は落ちる。

各社の公表仕様を見ると、標準の組み合わせは近いものの、変更できる範囲が違います。伸榮産業は組立式の製品ページでフレームに導電性ABS樹脂被覆鋼管φ28、カーテンにセイデンクリスタルカーテン0.3tと材質まで明記しています。コトヒラ工業は標準のアルミ製に加えてサビに強いステンレス製を選べるとしています。

日本エアーテックのアルミ型クリーンブースMCBは、気流方式を全面層流型・拡散層流型・乱流式の3種から選ぶ構成で、型番ごとにISO5からISO7までが公表されています。気流方式は清浄度の等級と同じくらい作業性に効きます。作業者が動くたびに乱れる位置に作業点があるなら、全面層流でないと数字どおりの清浄度は出ません。

蒲田工業はビニール仕様と板張り(ハードパーティション)仕様の両方を公開し、クラス100〜100000(ISOクラス5〜8)に対応と明記しています。板張りは壁面の強度と清掃性が上がる代わりに、レイアウト変更の自由度が下がります。生産ラインの組み替えが多い工場では、この選択が後から効いてきます。

清浄度はどこまで出せるのか

公表上はクラス100(ISOクラス5)まで対応する会社が複数あります。ただし数字が出るかどうかはブース単体では決まりません。トヨシマ電機は自社のよくある質問で「周りの環境によっても変わりますが、クラス100まで可能です」と回答しています。

清浄度クラスと組み立て式ブースで想定される用途
清浄度ISO表記想定される使い方
クラス100,000ISOクラス8組立・検査工程の局所清浄化。異物混入の低減が目的。
クラス10,000ISOクラス7電子部品の実装、医療機器の組立など。
クラス1,000ISOクラス6光学部品や精密機器の組立。全面層流が前提になりやすい。
クラス100ISOクラス5作業点の直上を層流で覆う構成。周囲環境の管理も要る。

清浄度の等級そのものは日本産業標準調査会のJIS検索で参照できるJIS B 9920が国内の物差しです。ISO 14644を基にした規格で、粒径ごとの粒子数の上限で等級を区切ります。等級の読み方はクリーンルームのクラスに早見表を置きました。

実務で効くのは、引き渡し時に誰がどう測るかです。トヨシマ電機は組み立て工事を同社が行う場合、組み立て後に清浄度測定を行い測定結果報告書を後日送付すると公表しています。コトヒラ工業も協力会社での組み立て工事後に清浄度測定を行うとしています。測定と報告書が見積もりに入っているかは、契約前に確認してください。

周囲の部屋が汚れていれば、開口部からの流入で数字は落ちます。差圧と換気回数の考え方はクリーンルームの換気回数で解説しています。

組み立て式クリーンブースを選ぶ5手順

ブースは規格品に近いぶん、条件を決めずに引き合いを出すと各社が違う前提で見積もります。次の5つを先に決めると、見積書が並べて比べられる形になります。

  1. 守る対象と作業点の位置を決める——製品を守るのか作業者を守るのかで気流の向きが変わります。作業点が固定なら層流、動くなら室全体の清浄化になります
  2. 必要な清浄度を根拠から決める——取引先の監査基準か、装置メーカーの設置要求仕様書か。念のための1段上げは本体価格と運転費の両方を押し上げます
  3. 設置場所の天井高・床・電源を実測する——高さ2,000mm前後の標準品が入るか、電源容量が足りるか。既存の消火設備や照明との干渉も見ます
  4. 組立を誰がやるかを決める——公表価格は本体のみです。自社で組むのか、施工まで依頼して清浄度測定の報告書を受け取るのかで総額が変わります
  5. 移設の可能性を伝える——1年後にラインを組み替える予定があるなら、板張りではなくカーテン仕様、床工事なしという選択になります

この5つを1枚にまとめて2〜3社へ同時に渡してください。同じ条件で出てきた見積書でなければ、金額を並べても意味がありません。見積書の読み方はクリーンルームの設計と見積もりに整理しています。

据え付け型に切り替えるべき3つの場合

当サイトは組み立て式を一律に勧めていません。次の3つに当てはまる工程では、簡易型では要求を満たせないか、結果として高くつきます。設計の初期段階で切り分けてください。

  • 温湿度に精度が要る——ブースは室内の空気を循環させる構成が基本で、温湿度は周囲の部屋に従います。±1℃級の管理が要るなら空調機を含む本設が要ります。判断材料はクリーンルームの温湿度管理にまとめました
  • 引火性の溶剤や粉体を扱う——通常のFFUと照明は防爆構造ではありません。危険場所に該当する工程では、専用の仕様か別の設備が要ります
  • 規制で区域と差圧が決まっている——医薬品のグレード区分のように、前室や差圧のカスケードまで含めて求められる場合は、ブース単体では要件を満たせません。詳しくは医薬品工場のクリーンルームをご覧ください

逆に、作業点が限られていて、清掃と移設のしやすさを優先したい工程なら、組み立て式が有力な選択肢になります。部屋ごと清浄化するのか、囲いだけで足りるのかという比較はクリーンブースとはで扱っています。

規格・制度の数値は必ず原文で確認してください

クリーンルームに関わる規格(ISO14644・JIS B 9920)や、GMP・HACCP・再生医療関連の制度は改正されます。当サイトの記載は制度の全体像と確認すべき論点を示すことを目的としており、設計・契約・規制対応の根拠にはできません。必ず規格原文および所管官庁の最新の告示・通知をご確認ください。規格の全体像はクリーンルームの規格にまとめています。

組み立て式クリーンブースのよくある質問

組み立て式クリーンブースについて、本体価格の公表状況、注文から納品までの期間、クラス100まで出せるか、別の場所へ移設できるかという4つの質問に、本文の内容をもとに答えます。

組み立て式クリーンブースの価格はいくらですか?

掲載5社のうち本体価格を公表しているのはトヨシマ電機と伸榮産業の2社です。トヨシマ電機の簡易クリーンブースTBU-Bシリーズは税抜227,000円から514,000円、伸榮産業の組立式クリーンブースKCB-112はカタログで253,000円です(2026年9月25日確認)。1,500mm角のクラス10,000が227,000円、2,500mm角のクラス100が514,000円という幅です。組立費と送料は含まれていないと明記されているため、総額は別に確認してください。

組み立て式クリーンブースはどのくらいで納品されますか?

コトヒラ工業はご注文から最短2週間程度、トヨシマ電機は図面承認後2週間程度と公表しています。日本エアーテックの自立型オールインワンクリーンルームは工期は通常1週間程度と明記されています。いずれも本体の準備期間で、設置場所の電気工事や床工事が要る場合はそのぶん延びます。

クラス100まで本当に出せますか?

複数社がクラス100(ISOクラス5)まで対応と公表していますが、周囲の環境に左右されます。トヨシマ電機は自社のよくある質問で「周りの環境によっても変わりますが、クラス100まで可能です」と回答しています。引き渡し時に清浄度を測定し報告書を出してもらえるかを、契約前に確認してください。

組み立て式クリーンブースは移設できますか?

躯体に固定しない構成のため、解体して別の場所へ移すことができます。伸榮産業は現地では最小限の組み立て作業のみで済み、解体・移設も容易と公表しています。ただし板張り仕様や床工事を伴う構成では自由度が下がるため、移設の予定があるなら発注時に伝えてください。

この記事を書いた人

執筆・編集:クリーンルームラボ 編集部

クリーンルームの設計施工会社について、対応分野・施工体制・公表実績を公式情報にもとづいてまとめています。

最終更新:2026年9月25日