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FFUとは?ファンフィルターユニットの
風量と選び方

最終更新:2026年9月25日

FFUとは?ファンフィルターユニットの 風量と選び方設計・設備FFUとは?ファンフィルターユニットの風量と選び方

FFU(ファンフィルターユニット)とは、送風ファンとHEPA/ULPAフィルタを1つの筐体にまとめた空気清浄ユニットのことです。天井に並べたりクリーンブースに載せたりして、ろ過した清浄空気を下向きに吹き出します。

公表されている仕様の実例では、風量は最小0.6m³/minから最大24.3m³/min、騒音は45〜67dB(コトヒラ工業KFU2シリーズ・2026年8月31日確認)。この記事では、FFUの仕組み、空気清浄機との違い、メーカー2社の公表仕様、そして風量・騒音・電源という選定の3軸を、発注検討の順番で整理します。

目次
  1. FFUとはファンとフィルタを一体化した装置
  2. FFUの気流はどう流れるか
  3. FFUと空気清浄機・HEPAフィルタの違い
  4. FFUの公表仕様をメーカー2社の実例で見る
  5. FFUの選び方は風量・騒音・電源の3点
  6. FFUの設置方法と使われる場所
  7. FFUの価格は個別見積もりが基本
  8. FFU(ファンフィルターユニット)に関するよくある質問

FFUとはファンとフィルタを一体化した装置

FFUとは、Fan Filter Unit(ファンフィルターユニット)の略で、送風ファンと高性能フィルタを一体化し、清浄な空気を供給する装置のことです。クリーンルームやクリーンブースの「清浄空気の出口」を担う、クリーン化の中核機器です。

動きは単純です。上部から室外またはリターン経路の空気をファンで吸い込み、内部のフィルタでろ過して、下面から清浄空気を吹き出す。この「吸って・ろ過して・吹き出す」だけの箱を、必要な数だけ天井面に並べることで、部屋やブースの清浄度を作ります。

構成部品は大きく3つです。

FFUとはファンとフィルタを一体化した装置
部品役割交換の考え方
プレフィルタ(不織布)大きな塵を先に取り、メインフィルタの寿命を延ばす短い周期で交換する消耗品
メインフィルタ(HEPA/ULPA)微粒子を捕集する本体。公表仕様では0.3µm以上の粒子で99.99%以上の捕集効率目詰まりで風量が落ちる。交換時期は差圧で判断
送風ファン風量を作る。風量可変のモデルが主流機械部品として寿命管理。故障検知の通信オプションを持つ機種もある

「ファンフィルターユニット」のほか、クリーンユニットと呼ばれることもあります。呼び名は違っても、ファンとフィルタの一体ユニットという構造は共通です。

FFUの気流はどう流れるか

FFUの吹き出す気流は、天井から床へ向かう下向きの流れが基本です。発生した粒子を人や製品のいる高さから床へ押し下げ、床近くの排気・リターンで回収する——この一方向の流れがクリーン化の原理です。

気流の作り方は設置密度で変わります。天井面にFFUをすき間なく並べれば、部屋全体が一方向流(層流)に近づき、半導体前工程のような高い清浄度を狙えます。逆に、天井の一部にだけ設置すれば、清浄空気で室内の空気を薄める希釈方式になります。同じFFUでも、並べる密度によって作れる清浄度の上限が変わるということです。

ここで効いてくるのが換気回数(1時間に室容積の何倍の空気を送るか)です。必要風量はクラスと部屋の容積から決まり、FFUの台数は「必要風量 ÷ 1台あたりの風量」で概算できます。換気回数の考え方と差圧の設計はクリーンルームの換気回数と差圧に、清浄度クラスの定義はISOクラスの早見表にまとめています。

注意したいのは吹き出しの向きと周囲の干渉です。FFUの近くに背の高い装置や棚があると、下向きの気流が乱れて渦になり、粒子が滞留する場所ができます。FFUの選定と同時に、装置レイアウトを気流で確認するのが設計の実務です。

FFUと空気清浄機・HEPAフィルタの違い

FFUは「清浄空気を作って空間へ供給する装置」、空気清浄機は「室内の空気を吸って戻す家電」、HEPAフィルタは「その中に入るろ材」です。混同されやすい3つを並べて整理します。

FFUと空気清浄機・HEPAフィルタの違い
FFU空気清浄機HEPAフィルタ単体
役割天井・ブース上部から清浄空気を一方向に供給し、清浄空間を作る室内空気を循環ろ過して浮遊粒子を減らすろ過を担う部品。送風の機能はない
気流の設計下向きの一方向流を作れる。台数と配置で清浄度を設計できる吹き出しの向き・風量は機器任せで、清浄度の保証はない組み込む機器・空調側の設計による
使いどころクリーンルーム・クリーンブース・装置内の清浄化一般室の環境改善FFUや空調機に組み込む

言い換えると、空気清浄機を何台置いてもクリーンルームにはなりません。清浄度をクラスとして保証するには、必要風量を計算した上でFFUを配置し、測定で確認する必要があります。FFUはそのための「設計できる清浄空気の供給源」です。

FFUの公表仕様をメーカー2社の実例で見る

FFUの仕様は公表しているメーカーがあり、寸法・風量・騒音・電源まで数値で確認できます。当サイト掲載のクリーン機器メーカー2社の公表値を見てみます(いずれも2026年8月31日確認)。

コトヒラ工業のKFU2シリーズは6モデル構成で、仕様は次のとおりです。

FFUの公表仕様をメーカー2社の実例で見る
項目公表値(シリーズ全体)
本体寸法250×250×122mm(最小)〜1220×610×152mm(最大)
風量最小0.6m³/min 〜 最大24.3m³/min(モデル・風量設定による)
騒音45〜67dB(モデル・風量設定による)
捕集効率99.99%以上(0.3µm以上の粒子・HEPAフィルタ)
電源・消費電力AC100〜240V(50/60Hz)またはDC24V/36V、消費電力5〜185W

出典:コトヒラ工業「FFU(ファンフィルタユニット)」公表仕様(2026年8月31日確認)。価格の記載はありません。

日本エアーテックも、FFU(ファン付HEPAフィルターユニット)として集塵効率0.3μm粒子にて99.99%以上のSS-MAC(帯電防止樹脂製)やEC-MAC(ステンレス製)などを公表しています。コトヒラ工業は薄型・軽量、DCファンによる消費電力の削減、ファン故障検知信号・差圧異常信号の取り出し(オプション)を、日本エアーテックはDCブラシレスモーターによる省電力化を挙げており、機能差はカタログで比較できます。

この2つの実例から読み取れるのは、FFUの性能表示は「風量」「騒音」「捕集効率」「電源」の4項目でほぼ共通しているということです。つまり比較の物差しが揃っており、次の章の選定軸がそのまま使えます。

FFUの選び方は風量・騒音・電源の3点

FFUの選定は、①必要風量から台数と機種を決め、②騒音の制約を確認し、③電源と制御方式を合わせる、の3点で進めます。捕集効率はどのメーカーもHEPAで99.99%級のため、実務の差はこの3点に出ます。

FFUの選び方は風量・騒音・電源の3点
選定軸確認すること見落とすと起きること
①風量目標クラスと室容積から必要風量を計算し、1台あたり風量で割って台数を出す。フィルタの目詰まりを見込んだ余裕を持たせる台数不足で清浄度が出ない。逆に過剰だと電力と騒音が無駄に増える
②騒音公表値は45〜67dBと機種・風量で差がある。人が常時作業する部屋では台数分の合成音を確認する作業環境がうるさく、風量を下げて運用→清浄度が崩れる悪循環
③電源・制御AC/DCの別、風量可変の方式、故障検知・監視の通信オプション増設時に電源が合わない。フィルタ交換や故障の検知が人頼みになる

もうひとつ、見積もり段階で必ず確認したいのがフィルタ交換の作業性です。FFUは設置して終わりではなく、プレフィルタとHEPAフィルタの交換が運用の固定費になります。天井裏から交換するのか室内側から外せるのか、交換時に生産を止める範囲はどこまでか——HEPAフィルターの交換時期とあわせて、運用まで含めて機種を選んでください。

FFUの設置方法と使われる場所

FFUの設置先は「クリーンルームの天井」「クリーンブースの上部」「装置・設備への組み込み」の3つに大別できます。どれも構造は同じで、違うのは清浄化する空間の広さです。

FFUの設置方法と使われる場所
設置先使い方向くケース
クリーンルームの天井システム天井にモジュールとして並べる。密度で清浄度を設計する部屋全体を清浄化する本設のクリーンルーム
クリーンブースの上部ブースの天面に載せ、ブース内だけを清浄化する工程の一部だけ清浄度が要る場合。クリーンブースは75万円からの公表価格例がある
装置への組み込み検査装置・充填装置などの内部に清浄空気を供給する製品が露出する箇所だけを局所清浄化したい場合

発注判断として重要なのは、「部屋全体のクラスを上げる」より「必要な場所だけFFUで局所清浄化する」ほうが、設備も電力も小さく済むことが多いという点です。要求清浄度が高い工程が一部に限られるなら、部屋はほどほどのクラスにして、その工程だけブースや装置内清浄化で守る構成を先に検討してください。

FFUの価格は個別見積もりが基本

FFU本体の価格は、コトヒラ工業は公表していません。日本エアーテックは公式オンラインショップで、小型のHEPAフィルターユニットに限って販売価格を載せています(MAC-15が税込77,000円など・2026年9月25日確認)。それ以外は機種・台数・制御・フィルタ仕様の組み合わせで変わるため、個別見積もりが基本です。

見積もりの取り方は2通りあります。数台までの増設や交換なら、メーカーへ直接問い合わせて機器見積もりを取る。部屋やブースの新設・改修に伴う導入なら、設計施工会社に清浄度の要求条件を伝え、FFUの機種選定・台数計算・レイアウトまで含めた提案として受け取るのが実務的です。台数計算を発注者側で確定させる必要がなくなり、清浄度の責任範囲も明確になります。

いずれの場合も、機器代のほかに取付工事費・電源工事費・試運転調整費・予備フィルタが見積もりに含まれているかを確認してください。見積もり全体の読み方は施工手順と見積もりの取り方に、費用の全体像はクリーンルームの費用にまとめています。設計施工まで対応できる会社はクリーンルーム設計施工会社の比較から確認できます。

※本記事の仕様値は2026年8月31日時点の各社公表情報にもとづきます。最新の仕様・対応条件は各社の公式情報でご確認ください。

FFU(ファンフィルターユニット)に関するよくある質問

FFU(ファンフィルターユニット)について、名称の意味、空気清浄機との違い、公表されている風量の実例、フィルタ交換の判断基準、単体でクリーンルームを作れるかなど、よくある質問に本文の内容をもとに答えます。

FFUとは何の略ですか?

Fan Filter Unit(ファンフィルターユニット)の略です。送風ファンとHEPA/ULPAフィルタを1つの筐体にまとめた空気清浄ユニットで、天井やクリーンブース上部に設置し、ろ過した清浄空気を下向きに吹き出します。

FFUと空気清浄機はどう違いますか?

空気清浄機は室内の空気を吸って戻す循環ろ過の家電で、清浄度の保証はありません。FFUは必要風量を計算して配置することで、下向きの一方向流を作り、清浄度をクラスとして設計・保証できる点が違います。

FFUの風量はどのくらいですか?

公表仕様の実例では、コトヒラ工業KFU2シリーズが最小0.6m³/minから最大24.3m³/min(6モデル・2026年8月31日確認)です。必要風量は目標クラスと室容積から計算し、1台あたりの風量で割って台数を決めます。

FFUのフィルタはどのくらいで交換しますか?

使用環境の粉じん量で変わるため、一律の年数では決められません。プレフィルタは短い周期の消耗品、HEPAフィルタは目詰まりによる差圧の上昇で判断するのが実務です。判断基準は当サイトのHEPAフィルター交換の記事で解説しています。

FFUだけでクリーンルームは作れますか?

小空間なら可能です。クリーンブースはFFUをブース上部に載せた構成で、公表価格の例では75万円からあります。部屋全体を本設のクリーンルームにする場合は、空調・間仕切り・差圧設計を含む設計施工の領域になり、FFUはその中の給気ユニットとして組み込まれます。

この記事を書いた人

執筆・編集:クリーンルームラボ 編集部

クリーンルームの設計施工会社について、対応分野・施工体制・公表実績を公式情報にもとづいてまとめています。

参照した情報:コトヒラ工業 FFU(ファンフィルタユニット)製品ページ・公表仕様/日本エアーテック クリーンブース/SS-MAC/FFU 製品一覧/JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語(日本産業標準調査会)(2026年8月29日確認)

最終更新:2026年9月25日